P H25-02 近代の建築作品とその特徴『世界有名邸宅4選』

一級建築士過去問、計画H25-02のイラストを制作しました。

どんな問題?

建築試験にでてくる有名邸宅。この問題は、その建築様式について問われた問題です。

キーワード

タッセル邸

ロビー邸

シュレーダー邸

サヴォア邸

『タッセル邸』と『アール・ヌーヴォー』

アール・ヌーヴォー初期代表作、タッセル邸

有機的な自由曲線の組合せを鉄やガラスで造形した「アールヌーヴォー」の代表作。有機的な造形の階段が特徴的です。アールデコは、クライスラービルに代表されるように、直線や流線形を用い幾何学模様。「アールヌーヴォー」と「アールデコ」の違いに注意してください。

BANKO氏
BANKO氏

イラスト制作話!

苦戦したイラスト作品です。アールヌーヴォーの特徴的である植物のような有機的な曲線はパワポのオートシェイプで表現するのは難しいので、思い切って曲線部分をアイコン機能のクローバーやハートを使って、細部抽象的に表現することでシンプルな仕上がりになりました。階段も線だけで表現しシンプルに。配色がお気に入りの作品です。

『ロビー邸』と『プレーリーハウス』

ロビー邸

プレーリーハウス(プレーリースタイル、草原住宅)
・低く長く伸びた軒の水平線

・中央の煙突

プレーリーハウスは草原住宅とも呼ばれます。ロビー邸はその典型とされています。F.L.ライト氏の作品は旧帝国ホテル、落水荘、グッゲンハイム美術館なども有名です。

BANKO氏
BANKO氏

イラスト 制作話!

この作品は描きだしをとても悩みました。パワポでイラストを作成するときは、平面的(立面含む)のような方向からが表現しやすいのですが、この建築作品の特徴が伝わるのは、この向きだったため、台形と配色を使って立体的に奥行きを表現しました。

『シュレーダー邸』と『デ・ステイル』

シュレーダー邸

造形運動デ・ステイル
・1F伝統的配置

・2F稼働間仕切り=開放的1室

「デ・ステイル」は明確な幾何学形態や空間を実現しようとする造形運動です。

BANKO氏
BANKO氏

イラスト制作話!

シュレーダー邸は平面的に表現しやすいのですが、パーツが多く、一つひとつを表面、背面に移動させながら試行錯誤をしています。また、基本的にはオートシェイプの四角を使っていますが、枠を有するか、無しにするかとても悩みました。最終的には各パーツ毎をはっきりと表現するために枠有を選んでいます。

覚え方の「リーフ紙(リートフェルト)をシュレッダー(シュレーダー邸)で捨てる(デ・ステイル)」はお気に入りの語呂合わせです。

『サヴォア邸』と『近代建築の5原則』

サヴォア邸

近代建築の5原則

・ ピロティ

・屋上庭園

・自由な平面

・水平連続窓

・自由なファサード

有名すぎる建築作品。

BANKO氏
BANKO氏

イラスト制作話!

この企画(イラストで学ぶ建築士)を思いついた時から、ずっと描きたかった建築作品。でも、製作時間は約10分程度(笑)。ほとんど四角だけで表現できてしまうので、あっという間に終わってしまいました。パワポでイラストを始めたいと考えている方にもおすすめの建築作品です。

まとめ

この問題では、有名な建築作品がならんでいますが、「アールヌーヴォー」と「アールデコ」の違い、という微妙なところをついてきます。建築様式の歴史や背景を知ってほしいという狙いと、他の超有名作品をしっかり覚えて、消去法で解いてください、という意図と思います。

19世紀フランスで「アールヌーヴォー」は繊細で有機的なデザインなので手工芸の要素が強いですが、より工業化した20世紀では幾何学的な「アールデコ」が作りやすい、使いやすいといった量産に向いた設計が好まれたということもあるでしょう。

好きな建築作品がたくさん出てくる楽しい問題です。

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