P H27-17 建築物等の再生の事例

一級建築士過去問、計画H27-17のイラストを制作しました。

どんな問題?

この問題は建築物の再生に関する問題です。海外の事例であるニューヨークのハイラインや、ジェミニ・レジデンス。国内の事例の山梨市庁舎東棟、金沢市民芸術村など多様な事例が並ぶ問題となっています。建築物再生の事例はbeforeとafterの用途の変化に驚かされます。

ハイライン

貨物鉄道廃線から、公園へ再生されたNYのハイライン

ハイライン は、1980年以降廃線となった貨物鉄道の廃線跡公園へ再生された事例です。廃線後、一時は取り壊しが決められたが、市民運動によって存続し、現在は約1.6km続く、地上9mの高さの空中緑道となっています。ハイラインの各所にはアート作品が展示され、NYの眺望のためのスポットも設けられています。

BANKO氏
BANKO氏

2020年冬に訪問。冬のNYはとても寒く、風も強くて大変でしたが、はじめてのNYだったのでとても新鮮で楽しかった思い出ばかりです。ハイラインのイラストはどこを切り取るか悩みましたが、鉄道跡が伝わる線路と、ハイラインをまたぐザ・スタンダード・ハイラインというホテルが重なるシーンを選びました。

ジェミニ・レジデンス

円筒形のサイロを利用した双子住宅のジェミニ・レジデンス

港湾施設として利用されていた穀物の貯蔵庫であるサイロを改修し、集合住宅へ再生させたジェミニ・レジデンス。ジェミニは「双子」、レジデンスは「住宅」を意味しているので名が体を表しており、覚えやすい事例となっています。サイロの内部の空洞部は、ロビーや階段などの縦導線にしようされ、居住部分は、円筒部の外側に設置されています。

BANKO氏
BANKO氏

2つのサイロを住戸へ変身させたジェミニ・レジデンス。before、afterのロゴ部分は、ジェミニ・レジデンスの平面を表現しています。

山梨市庁舎東棟

プレキャスト鉄筋コンクリート部材のアウトフレームを用いて生まれ変わった山梨市庁舎東棟

山梨市庁舎東棟は、1970年に建設された工場市庁舎へ再生された事例です。プレキャスト鉄筋コンクリート部材のアウトフレームを用いた耐震改修が施され、太陽光発電の設置や壁面緑化など環境にも配慮されています。日事連建築賞、国土交通大臣賞、グッドデザイン・サスティナブル建築賞など受賞。

アウトフレームで使われているプレキャストコンクリートとは、工場であらかじめ製造されたコンクリートで、品質の安定化現地施工納期の短縮などのメリットがあります。

BANKO氏
BANKO氏

アウトフレームの立体感を出すよう工夫をしています。工場から市庁舎へ転用した事例はとてもめずらしいですね。

金沢市民芸術村

紡績工場の倉庫群を芸術文化施設へ転用した金沢市民芸術村

大正から昭和初期に建設された紡績工場の倉庫6棟を改修し、芸術文化施設へ生まれ変わった金沢市民芸術村。9万m2以上もある敷地には、赤レンガの壁面など旧大和紡績倉庫群の魅力を活かして、アート工房、ミュージック工房、職人大学校だけでなくレストラン、オープンスペースなども付随した施設となっています。

木造構造の倉庫は、鉄骨による補強を行い耐震補強され、コロネードで結ばれています。また、地下水を利用した屋根雪の消雪を担う池も設置され、雪国としての実用性が高められています。

BANKO氏
BANKO氏

倉庫群つなげる特徴的なコロネードを横枠いっぱいに表現しています。

まとめ

befor ▶ after

ハイライン 貨物鉄道廃線 ▶ 公園

ジェミニ・レジデンス サイロ ▶ 住戸

山梨市庁舎東棟 工場 ▶ 市庁舎

金沢市民芸術村 紡績工場 ▶ 芸術文化施設 

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