P H25-14 公共建築とその特徴『日本のミュージアム』

一級建築士過去問、計画H25-14のイラストを制作しました。

どんな問題?

この問題は、公共建築物の作品事例で、日本のミュージアムとその特徴が問われた問題になっています。ミュージアムは、その土地の顔ともいえる建築物であることが多いと思います。一級建築士の試験でも問われやすい作品 です。特徴的な建築物が多いので、イラストで学んでいきましょう。

キーワード

水戸芸術館

世田谷美術館

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館

八代市立博物館「未来の森ミュージアム」

新潟市民芸術文化会館「りゅーとぴあ」

水戸芸術館

水戸芸術館 (arttowermito.or.jp)

茨城県水戸市にある水戸芸術館は、高さ100mのシンボルタワーが特徴的な複合施設です。 レストラン、コンサートホール、劇場、会議場などそれぞれが独立性の高い空間を保ち、それらの活動を同時に展開できるようになっています。シンボルタワーの構造は鉄骨造4階建で、展望室もあります。

試験問題で問われた内容

建築士試験問題では、世田谷美術館との誤選択枝で出題されたことがあります。水戸芸術館といえば高さ100mのシンボルタワーが特徴的です。一方で世田谷美術館は周辺環境との調和を考え、2階建てと高さを低く抑えた建築作品となっています。高さについて異なる特徴をもつ建築作品を問われているので、上のイラストのように、シンボルタワーをイメージを持つことが大事です。

家でも楽しめる芸術館

コロナ禍のなか、芸術館などの公共建築物は訪問者が減っています。そんな中にあっても、水戸芸術館は芸術作品を多くの方へ届ける取り組みをしています。例えば、過去のコンサートや演劇などの公演動画を無料配信しています。人が触れ合うことが困難な社会においても芸術を楽しめる、そんな新しい人と芸術館の触れ合い方に挑戦している素敵な芸術館です。

世田谷美術館

https://www.setagayaartmuseum.or.jp/

東京都世田谷区にある世田谷美術館。この美術館は都立砧公園(きぬたこうえん)の敷地の中にあります。周囲環境との調和するため、建物高さを低く抑えています。建築群をつなぐ回廊が特徴的です。設計は内井昭蔵氏。

試験問題で問われた内容

建築士試験問題では、水戸芸術館との誤選択枝で出題されたことがあります。水戸芸術館といえば高さ100mのシンボルタワーが特徴的です。一方で世田谷美術館は周辺環境との調和を考え、2階建てと高さを低く抑えた建築作品となっています。世田谷という住宅街の中の立地を考えると、周辺環境と調和を考慮し高さを低く抑えることの大切さがヒントになると思います。

四季を感じ散策できる美術館

この美術館の楽しみのひとつに「歩く」があると思います。世田谷美術館のある都立砧公園は一時ゴルフ場としても利用されていた、広さ約40万㎡ある大きな公園です。春は桜、夏はネムノキ、秋はキンモクセイ、冬はサザンカなど四季を彩る植物があり、季節の変化を感じることができる公園です。その公園の敷地内にある世田谷美術館は、四季を感じながら、建築群をつなぐ回廊をめぐり、芸術と散策の両方を楽しめる美術館です。

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館

https://www.mimoca.org/ja/

丸亀市ゆかりの画家・猪熊弦一郎氏の協力を得て、丸亀駅前広場に特徴的な壁画のファサードをもつ現代美術館が1991年に開館。この美術館がある丸亀駅前は建築・美術・都市空間が一体となった景観を作っており、MIMOCAは現代美術を中心とした美術展だけでなく、講演会やコンサートなどの多彩な活動が開催されています。設計は、ニューヨーク近代美術館新館も設計した谷口吉生氏。

試験問題で問われた内容

建築士試験問題では、この美術館がもつ壁画のファサードと、駅前に計画され、都市空間の一部として構成された景観について記述されています。

子どもたちのために市と協議をかさねた現代美術館

美術展だけでなく、教育を目的とした企画が多く行われていることも特徴です。人の交流が多い駅前に立地していることからも、猪熊氏と丸亀市の思いが共存して成り立った美術館です。猪熊氏はMIMOCAに対して「美術館は心の病院」という言葉を残しています。従軍画家として戦地赴いた経緯もある猪熊氏の言葉だからこそ、その言葉に込められた思いを考えさせられます。

BANKO氏
BANKO氏

丸亀といえ讃岐うどんが有名ですね。美術館を訪れる際は、ぜひうどんツアーも計画して訪れて下さい。有名なうどん屋さんはとても混みあうので午前中に行くことがおすすめです。

八代市立博物館「未来の森ミュージアム」

http://www.city.yatsushiro.kumamoto.jp/museum/

熊本市から南へ約1時間、日本三大急流に数えられる球磨川の下流に八代市はあります。八代城址公園の一角、東にかつての八代城(松江城)を望む丘に埋まるように、八代市立博物館はあります。内部構成は1階が展示室、2階エントランス、最上階が収蔵庫になっています。 設計されたのは、世界的な建築家、伊東豊雄氏です。

試験問題で問われた内容

建築士試験問題では、丘に埋まるような独特の構成と、各階に配置された諸室について記述されています。また、くまもとアートポリス参加作品では、再春館製薬女子寮(妹島和世氏)、熊本県営堀田窪第一団地(山本理顕氏)、熊本県営竜蛇平団地(元倉眞琴氏)などの作品も出題されています。

地域に根差した緑と調和した美術館

盛土によって作られた緑の起伏と、建築物が持つメタリックな素材感が表情豊かで調和した景観を作り出しています。丘から頂上から2Fのエントランスへ、そして丘に包まれた1Fの展示室では、八代独自の歴史や文化を残す美術品が展示室されています。

新潟市民芸術文化会館「りゅーとぴあ」

https://www.ryutopia.or.jp/

日本で最も長い信濃川、その信濃川が日本海へとつながる新潟港の近くに新潟市芸術文化会館があります。アリーナ型のコンサートホールや様々な舞台芸術に対応できる劇場など充実した機能をもつ複合施設です。本体施設の屋上庭園と6つの空中庭園をペデストリアンデッキで結ばれ、公園と一体化したパブリックスペースを作っています。 りゅーとぴあの由来は、柳の都 「柳都-りゅうと-」 と「ユートピア」です。

試験問題で問われた内容

建築士試験問題では、この施設がもつコンサートホールや劇場といったこの施設が持つ機能と、周辺施設及び空中庭園をつなぐペデストリアンデッキについて記述されています。

周辺施設と連携した柳の都の空中庭園

りゅーとぴあの特徴は空から眺めるとわかります。新潟市音楽文化会館、新潟市体育館、新潟県民会館、新潟市陸上競技場、白山公園との連携ができるよう架け橋となる大きなペデストリアンデッキと庭園が設置され、周辺の施設と一体化した緑の景観を作り出しています。

まとめ

シンボルタワーが高さがある水戸芸術館と周囲との調和のために高さを低く抑えた世田谷美術館。対象的な両者の違いに着目した問題です。イラストでは比較しやすいですが、文字だけでは記憶に残りづらいので、ここで制作したイラストが少しでも手助けになると幸いです。

図書館や美術館、博物館はすべての都道府県にあります。まずは身近な施設から興味を持ってもらえればいいな、と思います。私も建築試験勉強期間中であっても、気になる企画展や施設があれば、これも勉強!と思って美術館巡りなどを楽しんでいました。

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